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L5G第2回(2/4):送信アンプ開発
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2022/04/14 No.054━━━
マルツエレック様と連携したメルマガの第2回です。
今回は「ローカル5G基地局実験キット」に組み込んで使われるPA(Power Amp)開発を解説します。こちらの写真がRF基板とその電源基板です。協力会社のラジアン社による設計です。
PAは空中線電力で100mWを出力するために20Wクラスの強力なFETを採用しました。5GのOFDM信号は一見ランダムノイズに見えますが、瞬間に高いピークの信号があります。この鋭いピークを送信するには余裕のあるアンプが必要です。また、SDRからのレベル不足を補うために前段にはドライバアンプも入れておりアンプ2段の構成です。
FETは、電源(Vdd=28V)を投入する前にゲート信号(Vgg)をマイナスして、過大な電流が流れない様にしないと壊れるデバイスと聞きました。Vggには初め-6.0Vを入力してVddが流れてから-2.3Vに固定する電源シーケンスを組んでいます。
ドライバアンプもパワーに余裕のあるものを選んでおり、歪の性能がギリギリ満足するレベルで発熱を抑えるようにします。下記の表にあるように温度上昇ΔTが43.2℃から13.0℃に抑えられました。
最後はACP(Adjacent Channel leakage Power, 隣接チャネル漏洩電力)の測定です。5Gに準拠した40MHz帯域の信号MATLABで作成しました。この信号をSDR部のメモリに送り、ループ再生しています。RF部のPAから出力された信号をスペアナで確認しました。
基地局の規格では-43.8dBcです。スペアナで測定したところ下図のように-44.06dBでしたのでクリアしています。ギリギリのようですが、フィルタなどまだまだこれから精査するところは残っていますので、もっと性能は良くなることでしょう。
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